ピクシブ株式会社が12/12と12/13の二日間にかけて開催した短期インターンシップ、 「エンジニア職インターン pixiv開発のbugリストからの脱出! 2015」は、冷徹にもその事実を突きつけた。
このインターン企画の概要は、「bugリストの脱出」という名が示す通り、 「pixiv.netの12/11 12:00時点のスナップショットに混入しているバグの内で、既知の物を修正する」という単純な物だ。 この二日間のために、全国各地から駆け付けた勇者達は皆、瞳に何か確固たる物を蓄えていたように思える。
我々のためにわざわざ休日出勤して下さったメンターの方々と、インターン生達、 そして、Fallout4や、個人サークルの作業をするために「休日出勤」している社員が集結した室内で、 私は、インターネットという怪物に抗う物の姿を確かに視た。
競争原理、時間、システムの巨大さは、エンジニア達の絶え間無い努力を嘲笑するかのように、 アプリケーションを複雑怪奇な物にする。 10年程の歴史を持つpixiv.netですらも、例外では無い。 pixiv.netとそれに付随する各種サービスの持つ歴史や複雑さは、 私の脳内を、そして、私の胎内を、廃墟同然の伽藍堂へと変貌させた。 優秀な他のインターン生によるPull Requestの洪水や、 メンターのPull Requestに対する丁寧なコメントの応酬が、 私の胎内の伽藍堂を堂という形として維持させていた。
ピクシブ株式会社の、カラフルで、素晴しいIllustに満ちたオフィスという空間は、 インターネットというルルイエに立ち向かう者達への、鎮魂歌なのかもしれない。 そう思うのに、時間はかからなかった。
二日の戦闘の後に残された物は、patchという名の戦績だ。 戦闘後の「懇親会」では、インターン生皆が戦場を後にした兵士達のように、清らかな表情をしていたように見えた。
しかし、一寸先は闇という言葉があるように、現実は複雑で、流動的だ。 今は眠ろう。今後も、インターネットと戦うためには、体力が必要だ。